2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

113 ④入江泰吉の永遠の「大和路」カラー鑑賞篇

入江泰吉は、風景写真を志す若者へのアドバイスとして次のようなことを書いた。「風景写真は、単にそこにある風景を写せばよいというものではない。映像の中に、情感や、いうにいえない気配が写っていなくては、人の心に感動を呼ぶものにはならないと思う。し…

112 ③入江泰吉の永遠の「大和路」カラー篇

東大寺塔頭跡『古色大和路』より 入江泰吉が「大和路」の写真家として評価を確立した三部作『古色大和路』、『萬葉大和路』、『花大和路』は、1970年から76年にかけて上梓された。高名な作家、評論家、俳人、歌人、随筆家、学者がエッセイを寄せ、詳細な解説…

111 ②入江泰吉の郷愁の「大和路」モノクロ鑑賞篇

司馬遼太郎は、『街道をゆく』の中の「竹内街道」で次のように書き記している。「言霊ということばはわれわれにとってなるほどいまも妖しく、『大和は国のまほろば』などと仮にでもつぶやけば、私の脳裏にこの盆地の霞がかった色調景色が三景ばかり浮かびあ…

110 ①入江泰吉の郷愁の「大和路」モノクロ篇

勝間田池の堤防から薬師寺東塔を望む 昭和30年代前半『昭和の奈良大和路』から 入江泰吉(1905~1992年)の最初の写真集『大和路』(東京創元社)が出版されたのは、1958年(昭和33年)であった。その前年、文芸批評家の小林秀雄が、東京創元社の社長、小林…