2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

079 薬師寺の西塔心礎移動説

奈良県橿原市の特別史跡、本(もと)薬師寺跡は晩夏の日差しを浴びて紫色の花の絨毯が広がる。周囲の休耕田に植えたホテイアオイの花が盛りを迎えているのだ。新たな名所づくりを試みた橿原市の狙いは当たり、多くの見学者が訪れる。 本薬師寺跡には金堂や東…

078 入江泰吉旧居見学記

写真家の入江泰吉の旧居が、今年の3月から公開されている。奈良市水門町の依水園に近く吉城川のほとりにある。旧居の前の道を北へ直進すると東大寺戒壇院につきあたる。奈良大和路の写真を撮り続けた写真家にふさわしい場所である。公開前の旧居を道から何…

077 天誅組の生き残り、北畠治房旧邸「布穀園」

奈良県斑鳩町の法隆寺近くにある和カフェ「布穀薗」を訪ねた。北畠治房の旧居にできたカフェであると知って、わざわざ出かけたのである。北畠治房といっても知っておられ方はまずおられないだろう。私も知ったのは偶然だった。奈良県の近代史、特に明治時代…

076 『奈良歴史漫歩』Kindle版発行

自著の『奈良歴史漫歩』を電子書籍にしました。「奈良歴史漫歩」は2001年から約8年間の間、メールマガジンとホームページを使って発表した史跡探訪エッセイです。舞台は奈良と周辺地域で古代史の話題が多いが、現代も扱います。読者は多いときで約70…

075 黄檗宗海龍山王龍寺

奈良市にある海龍山王龍寺は、元禄2年(1689)に大和郡山藩主の本多下野守忠平が、黄檗宗開祖隠元禅師の孫弟子、梅谷和尚を招いて菩提寺として開山、再興した古刹である。山門や本堂には禅寺らしいたたずまいがあって、奈良の古代寺院を見慣れた目には…